胃がんとは
胃粘膜に発生したがん細胞が増殖を繰り返して大きくなっていく病気です。胃がんの自覚症状は早い段階で出現することは少なく、進行した場合でもほとんどみられないこともあります。がんが大きくなるにしたがい、徐々に粘膜下層、固有筋層、漿膜へと外側に深く進み、 やがて胃粘膜の外側にも到達します。それがリンパ節や臓器に転移を起こして進行がんとなります。胃がんの90%以上は、胃壁の最も内側の粘膜上皮細胞から発生する「腺がん」です。さらに腺がんは、増殖の仕方の違いから、「分化型胃がん」と「未分化型胃がん」に分けられます。「未分化型胃がん」はパラパラと広がるように増殖するタイプであり、分化型胃がんに比べて悪性度が高いとされています。
胃がんの原因
胃がんのリスクファクターには、ピロリ菌の持続感染、塩分のとり過ぎや食物繊維不足などの食生活、喫煙などがありますが、原因の98%はピロリ菌です。ピロリ菌は胃に棲みつく細菌の一種です。ピロリ菌感染があると慢性胃炎が進行して胃がんリスクの高い萎縮性胃炎を起こす可能性が高くなります。ピロリ菌に感染していると、がんになるリスクはピロリ菌に感染してない人に比べると20倍以上と言われており、実際に胃がんを発症した方の多くにピロリ菌感染が認められています。ですから、できるだき早いうちにピロリ菌に感染していないかを検査し、万が一ピロリ菌に感染していたら、除菌することで、将来の胃がんの発生リスクを大幅に防 ぐことができます。また、自分自身だけではなく、特に女性の方は若いうちに除菌することで、将来の自分の子供への感染予防にもつながります。
胃がんの症状
胃がんは、早期の段階では自覚症状がほとんどなく、かなり進行しても症状が起こらないこともあります。現れた場合も他の胃疾患と変わらない症状であり、胃がん特有の症状はありません。代表的な症状は、胃の痛み・不快感・違和感、胸やけ、吐き気、食欲不振などです。また、がんから出血することによって、貧血が起こることや、黒い便(血便)が出ることもあります。しかし、これらは胃がんだけではなく、胃炎や胃潰瘍でも起こる症状です。そのため、胃炎や胃潰瘍などで内視鏡検査を受けたときに、偶然がんが見つかることもあります。なお、食事がつかえる、体重が減るといった症状がある場合は、進行胃がんの可能性もあります。このような症状がある場合は、検診を待たずに消化器内科を受診するようにしてください。
当院の胃がん検査
胃内視鏡検査は、鼻や口からスコープを挿入して粘膜を詳細に観察できます。このスコープを使用して胃の粘膜をくまなく観察が可能です。当院では、先進の画像処理技術を集結した富士フィルム社製のフルデジタル電子内視鏡システムを導入しており、高度で精密な検査を行っています。内視鏡検査では粘膜の状態を直接観察できるため、炎症や潰瘍、ポリープの有無が瞬時に分かるだけでなく、わずか数mmの早期がんを発見することができます。検査中に疑わしい部分があれば、細胞を採取して生検をすることで確定診断もできます。同時に食道や十二指腸といった上部消化管やのどの粘膜も細かく観察できるため、食道がん、十二指腸がん、咽頭がんなどの早期発見も可能です。当院では内視鏡専門医が検査から検査後のご説明まで丁寧に対応し、苦痛のない検査を実現しています。胃カメラ検査時には鎮静剤・鎮痛剤を使用する無痛内視鏡検査をお選びいただけますので、 苦手意識のある方でも安心して内視鏡検査を受けていただけます。Webでの検査予約も対応しておりますので、ぜひご利用ください。